まほろば

文学と生活、その他自由に書きたいと思います。

三島由紀夫 作品年譜

三島由紀夫は、大正14年(1925年)1月14日、東京都四谷区永住町二番地に、父平岡梓、母倭文重の長男として生まれる。本名平岡公威。父は農林省官吏。幼時は祖母夏子の溺愛を受けて育つ。
(大正という時代は翌年に終わったため、三島氏の満年齢と昭和の数え年は同じとなる)

昭和13年 1938
「酸模」

s15 '40
「彩絵硝子」

s16 '41
「花ざかりの森」『文芸文化』

s18 '43
「世々に残さん」『文芸文化』

s19 '44
処女小説集「花ざかりの森」『七丈書院』

s20 '45
「中世」、「エスガイの狩」『文芸』、「岬にての物語」

s21 '46
「盗賊」、「煙草」『人間』、「岬にての物語」『群像』、「中世(完)」『人間』

s22 '47
「軽王子と衣通姫」『群像』、「夜の支度」『人間』、小説集「岬にての物語」『桜井書店』、「春j子」『人間』

s23 '48
「家族合せ」『文学季刊』、「ドルジェル伯の舞踏会」『世界文学』、「頭文字」『文学界』、「慈善」『改造』、「宝石売買」『文芸』
「火宅」『人間』、「盗賊」真光社、「獅子」『序曲』、小説集『夜の支度』鎌倉文庫

s24 '49
「大臣」『新潮』、「恋重荷」『群像』、「幸福という病気の療法」『文芸』
中村芝翫論」『劇場』、「火宅」を俳優座が上演
戯曲「灯台」『文学界』
7月『仮面の告白』河出書房、8月作品集『魔群の通過』河出書房
11月戯曲「聖女」『中央公論』(文芸特集号)、11月「火山の休暇」『改造文芸』、「孝経」『展望』、「親切な機械」『風雪』、12月「怪物」『別冊文芸春秋

s25 '50
1月「果実」『新潮』、10月まで「純白の夜」を『婦人公論』に連載。
4月「オスカア・ワイルド論」『改造文芸』、5月作品集『灯台作品社
6月『愛の渇き』新潮社、作品集『怪物』改造社
7月から12月まで「青の時代」を『新潮』に連載。

s26 '51
1月「家庭裁判」を『文芸春秋』に、戯曲「綾の鼓」を『中央公論社』(文芸特集号)に発表。
10月まで「禁色」を『群像』に連載。
3月「偉大な姉妹」を『新潮』に、4月「死の鳥」を『改造』に発表、小説集『聖女』を目黒書店より刊行。

s27 '52
1月北米に、2月ブラジルに、3月パリに滞在。4月ロンドン、ギリシア、イタリアを経て5月10日に帰国。
1月戯曲「卒塔婆小町」『群像』、「クロスワード・パズル」『文芸春秋』、2月戯曲「只ほど高いものはない」『新潮』、7月「不満な女たち」『文芸春秋
8月から28年8月まで長編「秘薬」(『禁色』第2部)『文学界』に連載。
10月「真夏の死」『新潮』、海外紀行『アポロの杯』朝日新聞社、12月「美神」『文芸』(このころ吉田健一大岡昇平福田恆存らの鉢の会に参加)

s28 '53

2月小説集『真夏の死』創元社、3月『にっぽん製』朝日新聞社、7月戯曲集『夜の向日葵』講談社、8月「ジャン・ジュネ論」『群像』
翌年7月まで「恋の都」を『主婦之友』に連載。
10月『綾の鼓』未来社、12月歌舞伎のための処女戯曲「地獄変」(原作芥川龍之介)を吉右衛門劇団が初演。

s29 '54
1月戯曲「葵の上」『新潮』、6月戯曲「若人よ蘇れ」『群像』、「博覧会」『群像』(増刊号)、同月書下ろし長編『潮騒』新潮社
8月「復讐」『別冊文芸春秋』、「詩を書く少年」『文学界』
8月から30年3月まで「女神」『婦人朝日』に連載。9月『恋の都』新潮社、10月「ファッシズムは存在するか」『文学界』、小説集『鍵のかかる部屋』新潮社
「鰯売恋曳網」を歌舞伎座吉右衛門劇団が初演。(12月『潮騒』で第一回新潮社文学賞を受賞)

s30 '55
1月から4月まで「沈める滝」『中央公論社』に連載。「海と夕焼け」『群像』、戯曲「班女」『新潮』
3月「新聞紙」『文芸』、4月「商い人」『新潮』、『沈める滝』中央公論社、6月「空白の役割」『新潮』
11月まで「幸福号出帆」『読売新聞』に連載。小説集『女神』文芸春秋社、7月『ラディゲの死』新潮社
「只ほど高いものはない」「葵の上」が文学座によって初演。
11月『小説家の休暇』講談社、12月「白蟻の巣」によって岸田劇団賞を受賞。

s31 '56
1月から10月まで「金閣寺」を『新潮』に、12月まで「永すぎた春」を『婦人倶楽部』に連載。
3月、一幕劇場『近代能楽集』新潮社、4月『詩を書く少年』角川書店(この月より『中央公論』新人小説選考委員となる)
8月ニューヨークのクノップ社より英訳『潮騒"The Sound of Waves"を刊行。
10月『金閣寺』新潮社、11月「陶酔について」『潮騒
鹿鳴館」が文学座によって初演。12月「橋づくし」『文芸春秋』、戯曲「鹿鳴館」『文学界』、『永すぎた春』講談社

s32 '57
1月「女方」『世界』、戯曲「道成寺」『新潮』、「金閣寺読売文学賞を受賞。
3月戯曲集『鹿鳴館創元社
4月から6月まで「美徳のよろめき」を『群像』に連載。6月『美徳のよろめき講談社、7月クノップ社より英訳『近代能楽集』"Five Modern Nō Plays"(ドナルド・キーン訳)を刊行。
アメリカに渡航、西印度諸島、メキシコ、北米南部、ニューヨーク、スペイン、イタリアをめぐり、33年1月まで各地を旅行。11月から34年6月まで『三島由紀夫集』(全19巻)を新潮社より刊行。

s33 '58
1月帰国。2月短編集『橋づくし』文芸春秋、3月「旅の絵本」『新潮』
4月から34年9月まで「日記」を『新潮』に連載。
5月『旅の絵本』講談社、戯曲『薔薇と海賊』新潮社
6月画家杉山寧の長女で日本女子大学英文科に大学中の瑶子と結婚。
9月ニューヨークのニュー・ディレクションズ社より英訳『仮面の告白"Confessions of a Mask"を刊行。
10月季刊誌『声』丸善書店発行に同人として参加、創刊号より書下ろし長編「鏡子の家」(第1章、第2章)を発表。

s34 '59
3月「熊野」『声』、『不道徳教育講座』中央公論社、5月「十八歳と三十四歳の肖像画」『群像』
クノップ社より英訳『金閣寺"The Temple of The Golden Pavilion"を刊行。
「近代能楽集」がストックホルム国立劇場で上演。
6月転居、長女紀子誕生。7月『文章読本中央公論社、9月『鏡子の家』新潮社
編著『六世中村歌右衛門講談社

s35 '60
1月から10月まで「宴のあと」を『中央公論』に連載。
戯曲「熱帯樹」『声』、新選現代日本文学集『三島由紀夫集』を筑摩書房より刊行。
3月大映映画「からっ風野郎」に主演。
11月『宴のあと』新潮社
夫人同伴で約3か月間にわたり世界一周旅行。ニューヨークで「近代能楽集」の試演を見る。
12月「憂国」『小説中央公論

s36 '61
1月短編集『スタア』新潮社 (『声』が十号で廃刊)
2月ニューヨークのプレイヤーズ劇場で「近代能楽集」を50日間上演。
3月「宴のあと」についてプライバシー侵害の訴えを有田八郎から提訴される。
6月「獣の戯れ」を書下ろし『週刊新潮』に連載。
9月渡米しカリフォルニア大学での日本シンポジウムに出席、「日本の青年」について講演。
フランスのガリマール書店より仏訳『金閣寺"Le Pavilion d'Or"を刊行。
10月『獣の戯れ』新潮社、11月評論集『美の襲撃』講談社、12月戯曲「十日の菊」『文学界』、三幕戯曲「黒蜥蜴」(江戸川乱歩原作)『婦人画報』

s37 '62
1月「魔法瓶」『文芸春秋』、「帽子の死」『群像』
11月まで「美しい星」を『新潮』に連載。
2月「十日の菊」で読売文学賞を受賞。3月新日本文学全集『三島由紀夫集』集英社、4月『三島由紀夫戯曲全集』新潮社
5月長男威一郎誕生。
8月「月」『世界』、10月『美しい星』新潮社、12月『文学読本・川端康成』を編纂河出書房

s38 '63
1月「真珠」『文芸』、「葡萄パン」『世界』
12月まで「肉体の学校」を『マドモアゼル』に発表。
『愛の疾走』講談社
5月まで「私の遍歴時代」『東京新聞』に連載。
2月「林房雄論」『新潮』、4月細江英公写真集『薔薇刑』(集英社刊)のモデルとなる。6月安堂信也と共訳「トスカ」を文学座が上演。
7月日生劇場のためオペラ「美濃子」を書く。
8月「雨のなかの噴水」『新潮』、「切符」『中央公論
39年5月まで「芸術断想」を『芸術生活』に連載。『林房雄論』新潮社、書下ろし長編『午後の曳航』講談社
10月「剣」『新潮』、11月21日文学座のために書下ろした戯曲「喜びの琴」が上演中止と決まり。文学座を脱退。27日「文学座諸君への公開状」を『朝日新聞』に発表。
12月小説集『剣』新潮社、現代文学大系『三島由紀夫集』筑摩書房

s39 '64
1月から10月まで「絹と明察」を『群像』に、12月まで「音楽」を『婦人公論』に連載。
2月「喜びの琴」を『文芸』発表。『肉体の学校』集英社、『三島由紀夫短編全集』『喜びの琴』新潮社
4月『私の遍歴時代』講談社、5月「文学における硬派」『中央公論』。「喜びの琴」が日生劇場で初演。
6月『三島由紀夫自選集』集英社。同月下旬より約10日間、ニューヨークに旅行。9月28日、係争中の「宴のあと」が、東京地裁で敗訴。
(東京地裁は、原告の訴えを認め、著者と新潮社に慰謝料支払いの判決を下す。被告は東京高裁に控訴。(原告の死後、和解成立。))
10月戯曲「恋の帆影」『文学界』、日生劇場で初演。「恋の帆影」で39年度毎日芸術賞を受賞。同月『絹と明察』講談社

s40 '65
4月自作・自演の映画「憂国」を制作。9月『春の雪』(『豊饒の海』第一部)を「新潮」(42年1月完結)に連載。
1月『三熊野詣』新潮、2月『孔雀』文学界、『音楽』中央公論社、8月評論『目—――ある芸術断想』集英社刊、11月評論『太陽と鉄』(批評、43年6月完結)、戯曲『サド侯爵夫人』河出書房新社

s41 '66
1月『サド侯爵夫人』で第二十回芸術祭賞演劇部門受賞。芥川賞選考委員となる。
1月『仲間』文芸、4月映画版『憂国』新潮社、6月『英霊の声』文芸、『英霊の声』作品集、河出書房新刊社、10月『対話・日本人論』番長書房

s42 '67
2月川端康成石川淳安部公房と共に、中国文化大革命についてのアピールを発表。
4月自衛隊体験入隊。7月空手を始める。

2月『奔馬』(『豊饒の海』第二部新潮43年8月完結)、3月『荒野より』作品集、中央公論社、9月書下ろし評論『葉隠入門』光文社、10月戯曲『朱雀家の滅亡』河出書房新社

s43 '68
7月の〈楯の会〉会員を伴い自衛隊体験入隊。以後、例年、3月と8月に会員を引率して体験入隊
8月剣道五段に昇進。9月〈楯の会〉を正式結成。

5月評論『小説とは何か』(45年12月完結)、9月『暁の寺』(『豊饒の海』第三部新潮45年4月完結)、10月評論『太陽と鉄』講談社、12月戯曲『わが友ヒットラー』新潮社

s44 '69
5月、東京大学五月祭にて東京大学全学共闘会議の学生と討論。8月映画「人斬り」封切り。11月国立劇場屋上で〈楯の会〉結成一周年記念パレードを挙行。
1月『春の雪』新潮社、2月『奔馬』新潮社、4月評論集『文化防衛論』新潮社、6月戯曲『癩王のテラス』中央公論社、11月戯曲『椿説弓張月中央公論社

s45 '70
7月『天人五衰』(『豊饒の海』第四部)を新潮(46年1月完結)に連載。
11月25日『天人五衰』最終回原稿を新潮社に渡す。
午後零時十五分、自衛隊市ヶ谷駐屯地、東部方面総監室にて自決。
7月『暁の寺』新潮社、9月『革命の哲学としての陽明学』諸君、10月『行動学入門』文芸春秋、評論集『作家論』中央公論社

s46 '71
二月『天人五衰』新潮社

s48 '73
4月『三島由紀夫全集』(全三十五巻、補巻一)新潮社



―――
本年譜は諸種のものを参照して作成した。